guriのブログ

セキセイインコとの日々を綴ります。今は精巣腫瘍との闘病の記録です。

症状の推移を振り返って

精巣腫瘍のインコについてのブログをたくさん読ませていただき、飼い主さんたちの思いを感じるとともに、症状の進行について考えてきました。


皆様も書かれているように、精巣肥大による症状が確認できると、「カウントダウン」が始まってしまいます。病院では、2,3ケ月から半年と言われるのが通例のようです。


ただ、この期間に加え、症状の推移も同じではないように感じます。精巣腫瘍の種類にセルトリ細胞腫、精上皮腫などの相違があるのはインコも同じようで、稀に転移する悪性腫瘍もあるようです。獣医師によると、腹水が溜まる場合も、腫瘍のみが肥大する場合もあるとのことですので、そうした腫瘍の性質の相違が原因なのかもしれませんが、よくわかりません。


皆様のブログには状態のよいときとそうでないときの「なみ」が記されている場合もありますが、ぐりの場合、今日より状態のよい日が翌日以降に来ることはないように思います。

呼吸器、消化器、脚の症状が同時に出るものでもありません。徐々に全身の機能が低下していくタイプの症状で、突然の事態への心構えを常に持っていなければなりません。


自身もこうした変化を自覚しているようで、籠の外に出ると、私のそばでじっとしています。顔を指で撫でさせてくれることは今までありませんでしたが、掻いてというように頬を傾けるしぐさもとるようになりました。


以前から言及させていただいている細川博昭『うちの鳥の老いじたく』も読んでいると気持ちが救われますが、その中に、老鳥が人間との距離を縮める態度をとるようになるのは人間を利用するよう本能が命じるからといった記述も見られます。


「利用されている」と思うと、ある意味気持ちが楽になります。たしかにそうした意識が根底にあると思いますが、私には不安や一緒にいたい気持ちを伝えたい様子に見えてなりません。


状態のよくない中で信頼できない相手に近づくのは危険であり、私を信頼できる相手と思うようになったからこその行動と考えられるからです。闘病生活をともにする中で関係に変化があったように思います。


ぐりは病気の仲間に呼びかけたり、その子が退院して帰ったときには喜びを示したりするように、仲間意識の強い子と思います。人間にも信頼を示し、全身の機能が低下していくなかでも、食事や放鳥など、日々をともにすることに喜びを示してくれます。



選り好み

最近は籠の下にある網の上に紙を敷き、置きエサをしています。

以前から床に散らばったシードを拾って食べるのが好きでしたが、エサ入れから食べるよりも、その方が食べやすく、楽しい様子です。


見ていると、シードにも好みがあるようで、食べたいものを選り好みして啄んでいます。ガツガツと音を立ててつつきます。


勢いよく食べにきたため、袋の中身をたくさんばら蒔いてしまいました。

写真はうれしそうに食べている様子です。


細長い形をしたオーツ麦を噛んで盛んに割っていますが、それを咥えて飲み水の中に入れることもあります。

水に浸すとふやけて柔らかくなりますが、すぐに水面下に沈んでしまいます。うまく取れるととても満足そうです。


発症を振り返って

インコにはそれぞれ心、感情、記憶、性格、好みがあり、群れの中で暮らす習性から、飼い主に合わせた行動や感情表現などを身につけてくれるように思います。


このブログは、精巣腫瘍の診断をきっかけに、長い間一緒に暮らしたぐりとの日々を振り返り、残された日々を綴ろうと思い、始めました。


症状が進行するなか、今までの幸福な時間、生命の力強さ、病気への前向きな気持ち、インコやぐりの内面や習性について新しく知ったことなども書き綴ってきました。


また、精巣腫瘍について記しておくことに意味もあるかと考えました。


振り返ると、変化に気が付いたのは約2ヶ月前でした。以前書きましたようにロウ膜の変化といったメス化の兆候は見られませんでした。

その先の段階の、精巣肥大による腹部の脹らみや呼吸障害(テイルボビング)といった症状が最初は微かに、しかしその後は急速かつ明確に、確認できるようになりました。


しかし、その半月くらい前からも気になる変化がありました。それまでとても好きだったおもちゃ(特に鏡)や、なぜか見ると興奮していたもの(黒いカバンやステンレスのグラスなど)などに反応しなくなり、鳴くことが少なくなったことです。


こうした変化の重大さを理解していればもう少し早く対応できたのかもしれません。元気のあるときに多く一緒の時間を作れなかったことが悔やまれます。


写真は2ヶ月前のものですが、今の状況を想像さえしていませんでした。